トラウマの後遺症  その3「神経過敏」

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・はじめに

トラウマ的な出来事を経験して以来、物音に敏感になってビックリしやすくなったり、身体に触れられると「ビクッ」と反応するようになったという話を聞くことがあります。トラウマによる「神経過敏」の症状です。過敏になった結果、寝つきが悪くなってよく眠れなくなったと訴える方もいらっしゃいます。

「神経過敏」の症状の起源
これは社会生活を人間が行う上では支障を来す厄介な問題行動のように思われますが、実は自然界の生物としては理にかなった行動なのです。身近な人が目の前で大ケガをしたり、自分の生命が脅かされるくらいの恐怖に陥れられる出来事を経験すると、生物として生命維持のために臨戦体制のスイッチが入ってしまうよう人間の身体はプログラムされています。「臨戦態勢だ」「警戒しろ」という信号が、脳の中の原始的な部分から発せられるようにプログラムされています。これによって神経過敏が起こっているのです。
自然界でこの信号が出せない個体は、危険な場面を回避できないので、外敵に狙われやすく生き延びられなかったはずです。だから多くの人にこの生命維持のためのプログラムは残っています。そのためトラウマ的な出来事を経験された多くの方に「神経過敏」の症状が出るのです。「神経過敏」の症状は、危険な状態に陥った健康な個体が、危険な事態に対処するための自然な反応なのです。

生物としての危険回避に必要なプログラムではありますが、この症状によって社会生活には支障が出ます。「神経過敏」の症状は多くの場合、EMDRを続けていくうちに緩和されていきます。

http://www.risorsa-emdr.com

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